「山西牧場から生まれた国産ピッグレザー」
我々は、豚を育てる仕事を営んでいます。
生き物を扱う仕事をする人間にとって
お肉だけでなく、さまざまな豚の素材を余すことなく役に立てることができるのではないかと考えております。
豚から肉をとると、皮が残ります。
豚の皮は国産です。牛革の原皮については広い国土を持つ米国が圧倒的に多く、また、鞣しの技術においてはイタリアが有名です。
しかし、豚革については、海外では皮まで食べてしまうという食文化のちがいもあり、日本で原皮の調達から、鞣しと仕上げまで、つまり生産の初段階から最終工程まで行われています。
しかし、現在ではその多くの原皮が海外に流れています。
そこで生産者として
「日本ならではの素材を使ったものづくりができないか」
「牧場生まれの、シングルオリジンの革を作れないか」
と考え、
2020年に取り組みを始め、約3年の試行錯誤を経て2023年にMakuakeにて先行販売を行いました。
「表情をたのしみ、長く使える」
豚革の特徴は、軽くてしなやかであること。
繊維が密になっていることで耐久性のある革に仕上がっています。
我々の育てた豚の革は傷が少なく、納入の段階で
革を扱っているチームメンバーや職人さんからも、「銀面がきれい」との評価を受けております。
自然素材としてのあたたかみのある風合いと手触りが感じられる、うつくしいレザー。
そんなレザーだからこそ表情がちゃんと伝わり、感じられるように素材を活かした方法で仕上げています。
「タンニン鞣しとプルアップ加工」
自社農場で育った豚の原皮は国内で植物成分「タンニン」で鞣し、染色をおこない、国内のクラフツマンが製作を手がけています。
タンニン鞣しは手間と時間のかかる鞣しの方法ですが、ナチュラルな表情が活き、使っていくと色も質感も深みを増します。
色を染めたのちに、プルアップ加工を施しています。プルアップとは、通常のオイルドレザーよりも多くのオイルとワックスで皮革の芯まで油分を通す加工です。
しっかりとオイルを革の芯まで含浸させ、凹凸のある豚革の銀面(革のオモテ面のこと)にアイロン仕上げで適度なツヤを与えて仕上げました。
「革は手入れがむつかしい」とよく思われますが、オイル分が多いと乾燥しにくく、頻繁にクリームなどで磨く必要はありませんし、ワックスの効果により雨の影響もタンニン鞣しの革の中では受けにくいです。
3 é monの、コシのある豚の革に適度な柔らかさと、製品としての扱いやすさを持たせて品のあるトートバッグやクラッチバッグ、ウォレット各種に仕立てました。
使い込むとともに変化する表情をたのしみ、永く愛せる。そんな牧場生まれのプロダクトが完成いたしました。
ぜひお手にとっていただけますと幸いです。